釧路川とは
釧路川は弟子屈町の屈斜路湖から流れ出し、標茶町・釧路町などを通って太平洋へと注ぎ込む、全長154kmに及ぶ一級河川です。古くから交通路として栄え、硫黄や木材など、釧路沿岸と内陸を結ぶ重要なパイプとして活用されてきました。釧網線が開通したことで運送の主役が鉄道に変わってその役割を終えましたが、道東に住む人たちの生活を支えてきた川なのです。
釧路川の特徴はおだやかな流れ。上下流の標高差が120mほどしかなく、急流が多い日本においては、とても貴重な河川です。途中にダムを建設する必要がないのは、一級河川においては珍しい事例といえます。ゆったりと流れる釧路川は、釧路湿原を蛇行し流れながら海へと向かいます。釧路町、標茶町、弟子屈町、鶴居村を中心とした釧路川の流域では、タンチョウ、キタサンショウウオ、シマフクロウ、エゾシカなどに代表される動物や、ヤチボウズやクシロハナシノブなどの独自の植生を観察することができ、自然の豊かさを実感できます。
カヌーで釧路川を下り湿原の風を肌で感じたり、道東の温泉をのんびり堪能したり、動植物とのふれあいを楽しんだり。釧路川流域は、いつまでも時間を忘れて過ごしたい、そんな自然にあふれています。少しの滞在時間で通過してしまうにはもったいない魅力が、この流域には待っているのです。